熊野
2000AUTUMN


神々の坐す神域―熊野。
熊野古道に那智の滝。
そして八咫烏。
私を魅惑する数々の場所、もの。
憧れの地です。
駆け足で回りましたが、
やはり熊野は素敵でした。



那智

 熊野那智大社です。那智山の中腹にたたずむお社。
 主神は熊野夫須美大神。記紀神話での国造りの神イザ
 ナミノミコトのことです。
 表参道の階段は473段あるそうです。ここでの出来事。
 私たちが勝浦に着いたのは、薄暗くなり始めた16時半。
 「見れるけど、もう閉まっちゃっているよ」とのタクシーの運
 転手さんの言葉に、一瞬躊躇。
 でも、神社の概要だけでも…と思い、タクシーを走らせて
 もらいました。その表参道の階段はきついから…と下で
 待ってる組と見に行く組に分かれなきゃな―という私たち
 の思いも何のその。そこ、タクシーであがれるようになっ
 ていたのです。
 16時半までなら800円かかるところが、その時はただ。
 かくして、そろって参拝とあいなりました。よかった。
 17時まで開いていたのもラッキーでした。

 

 
 これが八咫烏です。「八咫烏って何?」とはこの旅行中も聞かれたのです
 が、まずはまじめに…
 神武天皇の東征の際、天皇が熊野の山中で道に迷われた時、どこからと
 もなく現れ、道案内をしてくれたとのコトです。その結果、天皇は無事大和
 にたどり着くことができました。熊野三山では、神のお使いということで敬
 われています。足が3本あるのが特徴で、熊野三党(宇井、鈴木、榎本)
 をあらわしているとも、智・仁・勇、天・地・人をあらわしているとも言われて
 います。
 しかし、最近は何が有名って「サッカー日本代表のユニフォームにつけら
 れたシンボルマーク」として大変有名です。日本サッカー協会のマークな
 のだそうですが、青いユニフォームにつけられたワッペンの真ん中に黒い
 鳥がいるのに気づいた方も多いと思います。あれが八咫烏です。
 私もこの八咫烏が熊野の神のお使いである―ということは知っておりまし
 たが、上の写真の右に写っているところ牛王の神符を買った時に友人に
 「サッカー日本代表のシンボルマーク」と答えたら、社の方にやんわりと訂
 正されてしまいました。
 八咫烏の像があるのは、熊野三山でもここだけです。
 でも、バス停マークも、那智山まであと何KMという表示にも全部八咫烏
 君がマークとして使われていました。かわいいグッズもいっぱい作られて
 います。
 現在、私の車には「青いユニフォームを着て、胸に日の丸をつけたYATA
 君という名前の三本足のカラスくん」のマスコットが着けられています。

 

 青岸渡寺です。西国三十三所第1番札所の寺です。
 仁徳天皇の頃の創建といわれるので、大変古いです。
 平安時代に花山天皇が那智の滝で千日間修行したことから観音
 霊場三十三所を巡礼する信仰が広まったそうです。
 木造のシンプルなお寺ですが、いかにも古〜いというたたずまい
 になんともいえない趣があります。豊臣秀吉が再建したということ
 ですから、かれこれ400年。古くて当たり前。この本堂は重文で
 す。
 ここから少し右に下がったところには、鮮やかな朱塗りの三重塔
 がありますが、その背後に見える那智の滝とともに絶妙のビュー
 スポットとなってます。


 那智の滝です。高さ133m、幅13m、滝壷の深さ10mという日本一のスケ
 ールを誇る滝です。背後の原生林から落ちてくる様子は圧巻です。
 熊野那智大社の別宮の飛瀧神社の御神体となっていますが、役行者(役小
 角)が山岳修行の第一霊場としたことから、多くの修験者や参拝者が訪れる
 ようになったそうです。熊野はこういった修験者や陰陽師の修行の場として
 使われていたので、役行者のみならず安倍晴明にまつわる地も多くありま
 す。現に先の話に出てきた花山天皇の行の時に付き添ったのが晴明である
 という話もあるし…。
 熊野古道には晴明伝説が山盛り。
 今回は行けなかったけど、いつか行きたいなぁ。

 この滝は熊野灘からも見ることができ、確かに私の泊まった宿からも見えま
 した。滝見の湯なる名前があるくらいですから―あの宿の露天風呂は…。
 この滝を熊野灘から見て「アマテラス…」とつぶやいた外国人は誰でしたっ
 け?

 ところで余談ですが、私の大学の科の卒業旅行は実はここだったんですね。
 でも、私は参加できなかったんです。そしたら、仲間の皆さん、この地で「近
 藤正臣さん」に出会っているんですよぉ。肩を抱いて写真をとってもらったりな
 んかして。
 「白虎隊」での土方歳三役以来、この人は好きだったので、非常にうらやまし
 かったコトを覚えています。

 

この他にも、那智には観光名所がいっぱい。
今回の私たちのの欲張り駆け足の旅では行けませんでしたが、ぜひ行ってみたいスポットなどをご紹介。

まず、那智にある熊野古道。
大門坂をスタートし、那智の浜の方まで下りていくコースは約6.7Kmで2時間弱の行程。
大門坂茶屋では平安衣装の貸し出しもしてくれ、平安時代の参拝者の気分を味わうこともできます。やってみたい
な〜。
熊野古道九十九王子最後の多富気王子跡、夫婦杉、北条政子の供養塔、頼朝の死後植えられたといわれる柿の
木などを見て、補陀洛山寺へ。この補陀洛山寺は、補陀落渡海で有名な寺です。横を通り過ぎただけのぱっと見で
すが、思ったより小さいくらいの寺でした。補陀落渡海をする僧が最後に過ごした寺としては、このくらいの質素なも
のでよかったのかなぁと思います。現在ここにはその時の船の模型などがあります。

女人高野として有名な妙法山阿弥陀寺。
青岸渡寺から約2.7Kmの位置にある阿弥陀寺は、女人禁制の高野山に参詣するかわりにこの寺を多くの女の人
が訪れたとのことです。那智の滝や那智大社よりさらに奥にあるので、より那智山の雰囲気を味わえるお寺です。

鯨ウォッチング。
寺や神社といっていた後にこれです。船で熊野灘に出ていくと、かなりの確率で鯨が泳いでいるところが見えるそう
です。見た〜い!ただ、船酔いには要注意だそうですが。
鯨のメッカは那智よりさらに南の太地町ですが、勝浦からも船を出してもらえるそうです。
この他勝浦では「紀の松島めぐり」という島巡りもできます。
船好きとしては、ぜひ次回はおさえたいところですね。



       さて、那智を後にした私たちは、熊野本宮へ。     GO→


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