VATICANO
2001.7.28、31

世界最小国ヴァチカン。
12万坪の領土に500人の国民。
しかし、その元首はローマ法王ということで、
この国を稀有な存在としている。
観光客に解放されているのは、
サン・ピエトロ寺院とヴァチカン博物館のみ。
その2つの存在だけでも、
この国にはぜひ行くべし!



     サン・ピエトロ広場よりサン・ピエトロ寺院を

    
    サン・ピエトロ寺院内部―中央部分が祭壇


         ヴァチカンを守るスイス衛兵
        サン・ピエトロ寺院

約6万人の人々を収容できる世界最大のキリスト教会。
そしてカトリック教会の総本山でもあります。
クーポラ(中央のドーム状の部分)はミケランジェロが
設計しました。その上の十字架は10mあるそうですが
他がすべて巨大なので、そのように見えません。
サン・ピエトロというのは初代法王の名前で、キリスト
の弟子の一人でした。しかし、キリストより天国の扉を
開けるという鍵を授かった上、教会を建てよと言われ、
この寺院を建てたという事です。ゆえにサン・ピエトロは
絵でも彫刻でも鍵を持った姿であらわされています。

中に入ると、右手奥にミケランジェロ24歳の作である
『ピエタ像』があります。これを見るのもこの旅の目的
の一つでした。本当に美しい像です。カンド〜。

さらに奥に進むと、天蓋に覆われた美しい祭壇があり
ます。ちょうどそこに行った時、クーポラから光が!
何か神々しさを感じましたね。ちなみにこの祭壇はロ
ーマ法王のみが使用できるものです。天蓋部分の高
さは29m。寺院はここを中心にラテン十字形に形作
られています。

コロッセオの大理石をこの寺院建設のためには
がしたと聞いてきたけど、これだけのものを作ったんだ
もの。コロッセオの大理石―なくなるよねぇとしみじみ。

この広い堂内の中央通路をよく見ると、床に寺院名と
数字が記してあることが分かります。これは他の寺院
との大きさを比較して記してあるそうです。つまり奥行
きの長さをね。とにかく圧倒的な大きさを誇るのだとい
うことがこれでもかとばかりに知らされます。

ヴァチカンで一般に開放している部分は、この寺院と
ヴァチカン博物館のみです。サン・ピエトロ広場とロー
マとの境目は単なる柵なのですが、寺院より奥へ入っ
ていくところには、このようにスイス衛兵が立っていま
す。ヴァチカンでも有名な存在のこの衛兵さんたちは
飾りでも何でもなくて、中への侵入を防ぐ守りの任務に
ついているのです。
ちょうど私たちがここを通りかかる時、小さな少年が一
生懸命右側の衛兵さんに話しかけていました。相手に
しないわけにもいかず、ちょっと困った顔で話していた
衛兵さんと少年は一幅の絵のようでした。
観光客の注目を集めてました。
ちなみにこの制服もミケランジェロのデザインだそうで
す。

サン・ピエトロ寺院前はサン・ピエトロ広場と呼ばれま
す。30万人ほどの人々が収容できるこの広場は焦点
2つの円が重なった形をしています。284本の柱に14
2人の聖人の彫刻が載っています。

 

    
       レリーフのように見える絵


            図書室

   
     システィーナ礼拝堂内の絵の説明

        ヴァチカン博物館

数百室もの部屋に分かれて展示されている美術品の数
々。全館を回るには約8kmも歩かなければならないそう
です。
中でも有名なのが「ピオ・クレメンティーノ博物館」「ラファ
エロの間」「ピナコテカ」そして「システィーナ礼拝堂」
残念ながら、私たちが今回見ることができたのはヴァチ
カン博物館の中でもほんの一部でした。

しかし、その見たものだけでも度肝を抜かれる代物ばか
り。それをご紹介します。

廊下のようなところをずっと歩いていくと左右には数々の
彫刻が見られます。それは古代ローマ時代に作られた
彫刻です。古代ローマの芸術は古代ギリシアまたはエト
ルリアのものを模倣したものが中心だったそうです。

さらに歩くと左右にゴブラン織りのタペストリーが。
その模様は右側が旧約聖書、左側が新約聖書をあらわ
しています。
その廊下から目を上に転ずれば、レリーフのようなもの
が。ところが、これがすべて絵であると聞いてびっくり!
平面に陰影をつけて描かれたこの絵は、言われなけれ
ば(言われても)レリーフにしか見えません。

さらに歩いていくとヴァチカンの図書館に入ります。
「へ?図書館?」と思うのですが、通路の左右に鍵つき
の本箱がずらっと並んでいました。
で、ここで驚くのは本箱と本箱の間に置かれた数々の
美術品。総大理石(しかも大理石の標本か?と思える
ほど多種多様な大理石)のテーブルや美しい陶器でで
きた白鳥などが置かれていますが、すべて寄贈品だそ
うです。有力者が亡くなる時に、天国へいけることを願っ
て寄進していったそうです。
だからこそのお宝の数々―と思っていたら、これ以上の
宝がヴァチカンには山ほどあるそうです。
5階建てアパートぐらいの宝物館には金銀ダイヤが山ほ
ど納められているそうです。これもすべて寄進。
カトリック総本山であるということの重みを感じました。
どんな宝でも引き換えにできないほどのものが、ここヴァ
チカンにはあるのです。

さて、図書館を通り抜けるといよいよシスティーナ礼拝
堂!写真はシスティーナ礼拝堂の内部の絵を記したパ
ネルですが、システィーナ礼拝堂内では静かにしなけれ
ばならないため、中に描かれた絵についての説明は、
すべて外の庭で行いました。
ミケランジェロの描いた2つの大作。いよいよご対面。

一歩足を踏み入れたら、その絵から感じる圧倒的パワー
に鳥肌が立ちました。そして、上を向いて見ていたら涙が
じわ〜っと出てくるのです。絵からこのような衝撃を受け
たのは生まれて初めて。
そのぐらいのショックを受けました。とにかくすごい!
この絵を見ることをホントに楽しみにしていたのですが想
像にたがわぬ素晴らしさでした。入場がスムーズにいっ
たため、この中では30分の自由時間がもらえましたが、
20分ぐらいはベンチに座って、絵を眺めていました。
壁面に描かれた「最後の審判」は60代に8年がかりで、
天井に描かれた「天地創造」は30代に5年がかりで描い
たものです。
これだけの大作をたった一人で、身体のあちこちを患い
ながらも描いたミケランジェロ。この絵にかけた強い思い
がまだ残っているのでしょうか?だからこそ、こんなにも
人の心を打つのだと思います。
ちなみにローマ編で書いたニューヨークで記者に聞いた
質問その2は「世界で一番優れた美術品は?」でした。
そこで圧倒的多数の人々がまた同じ答えを書いたそう
です。つまり「システィーナ礼拝堂内のミケランジェロの
作品」。納得。

 

        サンタンジェロ城

城砦と霊廟をかねて建設されたものです。
ヴァチカン市国内にはないのですが、ヴァ
チカン宮殿とは秘密の通路で結ばれてい
るとか?
この城につながるテヴェレ川にかかる橋
はサンタンジェロ橋です。


 ピエタ像にシスティーナ礼拝堂の絵。すっかりミケランジェロに魅せられてしまいました。
 新潮美術文庫まで買っちゃうくらいだもんなぁ(^0^) でも、ホントにいいです!

 宗教の力というものは、信心深くない(言い切っていいのか?)日本に住んでいるとぴんとこないもの。
 しかし、カトリックの総本山にでかけ、その圧倒的な力を見て、思わず敬虔な気持ちになりました。
 この旅の前に「世界遺産」の本でバチカンのことを勉強し、現ローマ法王の活躍ぶりを知り、憧れの地
 となっていたのですが、想像以上の感動をうけました。
 ちっぽけな国なのに、そこに内包するものの大きなこと!
 ヴァチカンには、ぜひもう一度行きたいです。


BACK






 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送